レプリソーム グッズコラム

Vol.11 NCAAのウェア

はじめに
 今回のコラムではカレッジグッズと、その特徴を中心にご紹介したいと思います。
また、NCAA(National Collegiate Athletic Association)というと、大学の各種目のリーグ全てを意味しますが、ここではバスケットボールにのみ着目したいと思います。

1.オフィシャル
 NBAのオフィシャルロゴが、おなじみのジェリー・ウェスト氏のシルエットのように、カレッジグッズにもオフィシャルロゴマークがあります(下図・左)。
商品には、ペーパータグ・ケースなどに直接プリント・フォログラフステッカーなど種々の様式で商品につけられており(下図・右)、NBAのアリーナと同様に、大学が直接販売をしている商品の場合は特に、こうしたオフィシャル商品を示すタグなどがない場合もあります(恐らく大学が直接、工場やメーカーに発注していると考えられます)。

NCAAグッズ
オフィシャルロゴ

NBA
オフィシャルロゴ

ペーパータグ

フォログラフ

2.メーカーが複数存在する
 現在のNBAでは、ことウェア類に関しては、そのほとんどがオフィシャルメーカーであるadidasが生産シェアを占めており、ほぼ独占と言っても過言ではありません(その他、限定された商品に関してMajestic社やミッチェル&ネス社等が生産しています)。
それに対し、カレッジのウェア商品に関しては、NBAの場合と異なり、色々なメーカーがライセンスを有しているため、Tシャツ1つを例にとっても、色々なメーカーから生産されております(継続的に商品を生産するメーカーもあれば、あるシーズンで撤退するメーカーもあるようです)。
これが、今回のコラムの主題でもあり、お客様にとっても重要なポイントかと思われます
NBAとNCAAの生産量シェアの比較

3.カレッジグッズを扱うメーカー
 上でもふれました通り、カレッジグッズに関しましては、色々な会社やメーカーが参入しております。
その中で、最も有名なのはNIKEです。ことノースカロライナ大学のウェア類に関しては、同社のジョーダンブランドが数多くの商品を販売しております。
その他の例を挙げますと、Majestic、Colosseum、Starter、大型リテイルチェーン店や各大学、そしてその近郊の地元企業などがあり、ウェア1つ例にとっても下の表のように各社から販売されています。更に、ラバーバンドやヘッドバンドなどのアクセサリー類も考慮すると、更に多くの会社の名前が挙がることになります。

NIKE


Colosseum


Majestic


Starter


大型チェーン店


大学

各メーカーと商品
各メーカーと商品

NIKE

Colosseum

Majestic

Starter

大型チェーン店

大学

4.メーカーの多さと問題
 ここで商品の問題としてあがるのが、『サイズと寸法』です。
といいますのは、
A社のLサイズ=B社のLサイズ
という構図が必ずしも成り立ちません

※ Lサイズ以外の他のサイズについても同様です
 つまり極端な話、着丈・着幅を測定して数値に変えた時に、C社のLサイズとD社のMサイズとが、ほぼ同じ(C社のLサイズ≒D社のMサイズ)ということがあり得るのです
いきなり、このような極端な例ではないにせよ、M→L→XLとサイズがシフトしていく際に、「着丈と着幅が一定にそれぞれ●cmずつ長くなっていく、ということではない」ことが、下の表からわかります。

特徴
 @着丈に対して、着幅の方がより大きくなる
 (着丈1cmに対して、どのメーカーも着幅が1cm以上大きくなる)
 AどのサイズにおいてもNIKE商品の着丈が長い

※当サイトでは、07-08シーズン以降入荷したウェア類全商品について、測定した寸法を記載することに決定しました。

NIKE

着丈-着幅
Mサイズ 81-57cm
Lサイズ  84-62cm
XLサイズ  87-65cm


大学

着丈-着幅
Mサイズ 73-51cm
Lサイズ  75-56cm
XLサイズ  78-61cm


大学近郊の会社

着丈-着幅
Mサイズ 71-53cm
Lサイズ 79-60cm
XLサイズ 81-65cm
Tシャツのサイズシフト比較

Tシャツのサイズシフト比較

NIKE
着丈-着幅
Mサイズ 81-57cm
Lサイズ  84-62cm
XLサイズ 87-65cm

大学
着丈-着幅
Mサイズ 73-51cm
Lサイズ  75-56cm
XLサイズ 78-61cm

大学近郊の会社
着丈-着幅
Mサイズ 71-53cm
Lサイズ 79-60cm
XLサイズ 81-65cm

5.1つのメーカーでも・・・
 上の複数のメーカーのケースとは異なり、1つのメーカーでも数シーズンごとで仕様が変わることがあります。
例えば、NIKEのビンス・カーター選手のジャージです。

の画像中、左側の物は、ジャージ生地に選手名・背番号など全てが染物としてプリントされており、その染められた生地と、サイズとメーカーを示す裾のタグとで構成されています。この仕様は、同じくNIKEの同じ時期に生産されていた、DUKE大のジェイ(ソン)・ウィリアムス選手のジャージにも適用されていました。
一方、右側の物は、その2〜3シーズン後に当サイトに入荷してきた、同じくNIKE社の商品ですが、選手名・チーム名などはNBAのレプリカジャージと同じくラバープリントで、生地も各色の生地が縫い合わせられていました。
 そして何より、この2つの大きな違いとして、生地の色が異なるスカイブルーであることがわかります。
当時の各ジャージの下、即ちショーツも各々、同様の仕様だったため、右の画像のジャージに左の画像のショーツといった組み合わせは、いささか違和感を感じさせることになります。NBAジャージとショーツではこうしたケースは珍しく、たとえメーカーが変わっても(Champion→Reebok→adidas)、同じチームで、同じ色のジャージとショーツをあわせてもほぼ合致しますが、このNIKEのようなケースでは上と下で色も仕様も異なり、あわせられないことになります。
 また、上記はNBAでいうところのレプリカジャージに相当する造りの商品ですが、の画像はスウィングマンジャージに相当するジャージです。ただ、これらには市場価値(アメリカ・日本での販売価格)は同じですが、造りが多少異なります。
ネイビーの商品は、ポリエステル生地にパッチワークの造りですが、スカイブルーの物は同生地にラバープリントの造りになっています。


更に、NIKEからのようなジャージも販売されています。
生地は、シリーズを通して丸首・ポリエステルで統一されているようですが、縁取りのある背番号や選手名などは、NBAのオーセンティックジャージのように、重ね合わせのパッチワークで出来ております。
これまでも他大学のジャージが、同社から生産・販売されてきましたが、ジョーダン選手やカーター選手といったノースカロライナ大学出身選手だけに留まらず、その他の大学の選手も扱うようになりました。
NIKE一社を例にとっても、ここ数年で大きくカレッジジャージ事情が、仕様・種類の面で変遷の道を辿ってきていることが、おわかりいただけるかと思います。

※背番号と大学名のみのジャージを生産し続けています。

おまけ
 の画像は、Izaw社のノースカロライナジャージです。当時の背番号#40(ジョセフ・フォルテ選手)です。
特徴的なのは、他のジャージではあまりなかった、生地に強い光沢が入っていることです。ラメが入っているかのように輝いて見えます。背番号などはラバープリントです。
おまけ2
 上では、NBAはほぼ統一されているとお知らせしましたが、かつてはNBAグッズもこのNCAAグッズと同じ道を通ってきました。
に、その遷移を年表形式で表したいと思います(協力:Wannabee)。

まとめとお願い
 カレッジグッズは、オフィシャルメーカーの(ほぼ)独占体制であるNBAグッズと異なり、色々なメーカーが参入しているため、各会社の規格(生地などの造り・サイズ)にも多様性が生じてしまい、その結果、同じLサイズでも(M・XLなど他のサイズも)、着丈と着幅が大きく異なることがあります。
そして、各々のメーカーが引き続き、同じ商品を生産し続けるとは限らず、辞めてしまうケースや仕様などモデルチェンジすることもあり、NBAグッズに比べ多種多様で、楽しめる一方で混沌としているのも事実です。

 そこで当サイトでは、07-08シーズンよりNCAAのウェアは特に、具体的なサイズを表記することにいたしました。
お客様におかれましては、「今、Mサイズを着ているから」ということだけでご判断されず、当サイトと同じ測り方をすれば、ご覧になられている商品がお手元でどのような大きさか、より把握していただきやすいことからも、下に記すような方法で普段お召しになられているTシャツやウェアをお測り下さい。

「着丈●cm・着幅■cmのTシャツがほしいのですが・・・」とお尋ねいただいた方が、
よりお客様に合うサイズをご案内できることになります


また、当サイトが記載しましたサイズ表記の値をご参考に、そしてお探しになられている商品の仕様(ジャージの場合、レプリカタイプ・スウィングマンタイプなど)などが、お手元ですでにおわかりの場合、どうぞその情報もあわせてお伝え下さい。
 色々な会社が契約していることからも、NBAよりもNCAAの方がライセンス取得が比較的容易な印象があります。
一見、これはNBAではプロアスリート達の集団のため、チームのロゴや選手の人気をビジネスに昇華する必要がありますが、大学としては、アスリートチームの優勝がビジネスではなく、本来の教育機関であることを重視し、適正な金額をNCAAグッズオフィシャルに納めて認可を得てくれれば、大学の広報に役立ってくれているのだから、大いに関連商品や大学のブランドをビジネスに役立てて欲しい、というようにも見えます。

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