今回は、2006年ファイナル出場を決めた直後のマイアミの様子をお届けします。

レプリソーム旅行記 Vol.8 マイアミ

マイアミという土地
日本のNBAファンにとって、マイアミといえば、今年05-06ファイナルまで進出した「ヒート」ですが、そのロケーションと暑い気候から、一般によく知られているのは、マリンスポーツや「リゾート地」としてです。
画像の通り、南国ムード満点で、今まで訪れた都市の中で最も蒸し暑く、日本の夏を思い出します。

また、NBA30チームが存在する都市の中で、最南端に位置するこの街は、アメリカ合衆国の州の1つというよりは、もはや「南米」という印象が強い都市です。

例えば、 Jersey という言葉。
ネッツの都市 New Jersey 、そしてレプリカジャージの Jersey でもありますが、カタカナ英語のように「ジャージー」と発音しても、他の州では大抵通用するのですが、マイアミでは田舎であればあるほど通用しません。
ジャージーではなく、 ジャーシー と言わないと、こちらが何を意味しているか通じないことがしばしばありました。

ビーチ
マイアミといえば、やはりなんといってもビーチです。
海の色がとてもきれいです。写真では把握するのは難しいですが、浜の砂が日本のサラサラとした砂と異なり、若干、土のようにモコモコしていました。
また、この写真はマイアミビーチそのものではなく、フォートローダーデイルという、マイアミの北に位置する街の浜辺です。
え?「何でマイアミの浜を写さないのか?」ですって?。
時間の都合もありましたが、マイアミビーチの一部では、写真におさめ難い区域がありまして、あえて近寄りませんでした。ご勘弁を。

また、この海岸でアライグマを見ました。
が、ゴミ箱をあさっているその姿は、「野性」というより「野良」に近く、アライグマ・ラスカルのような出会いは期待できそうにもありません。
何より、彼らは狂犬病にかかっても、犬のように発病することなく、ケロリとしていますので、みなさんも、たとえ見かけたとしても、うかつに手を差し伸べたりしないように、注意して下さい。

もう1つ・・・
左の写真は、岸と岸の間を流れる河です。すぐそばの海に続いています。
写真奥の木々が見えますでしょうか。
もう1つマイアミに来て感じたのは、こうした原生林のような木々と湿地帯や、大きな水たまりが多いことです。
画像に写る木々は、アマゾンの秘境を探検しにいく、という日本の特番に出てきそうな樹木ばかりで、カゲからワニが顔を出しそうな雰囲気です(実際、帰国後に“フロリダ州マイアミでジョギング中の女性がアリゲータに襲われて死亡”の報を聞いてかなりヘコみました)。

前置きが長くなるので、これで最後にしておきますが、上の他の写真を見てもおわかりの通り、とても雲が厚いです。毎日見るのが入道雲ばかり。もちろん、スコールのような夕立もしばしばです。
この気候のため、文末の「おまけ」のような出来事が起こることになるのですが・・・。

アリーナへ向かいます
前置きが長くなりましたが、フォートローダーデイルから車で走ること、小1時間。
マイアミの街中に入ると、空にアメリカの国旗、ヒートなどの旗を見つけました。
どうやらアリーナは近いようです。

アメリカン・エアラインズ・アリーナ
ダラスのアリーナと名前がよく似ている、アメリカン・エアラインズ・アリーナです(ダラスはアメリカン・エアラインズ・センター)。

思えばここには現在、S.オニール選手、モーニング選手が在籍していますが、04-05シーズンはこれに加え、レイトナー選手、つまり92年ドラフトベスト3が在籍していたことになります。

アリーナ周辺は、昨晩やっとファイナル進出を決めて一段落、のためか静まり返っています。

アリーナの外周には・・・
人気のないアリーナの周りをグルリと回ってみます。
先ほどのような海にも面しており、きれいなところに・・・と目に留まったのが、外灯に飾られた選手のバナー。

写真は#42ジェイムス・ポージー選手です。
筆者の思い込みかも知れませんが、ディフェンスがよく、外角シュートが得意なところは、東のボウエン選手、のような気がします。

Zo
病気から見事復帰した、Zoことモーニング選手です。
かつてはこのチームのTOPプレイヤーでしたが、今では3番手以降に回りながらも、その役目をしっかりこなせているのは、素晴らしいの一言です。

ハスレム
ポストの相方、オニール選手の落としたシュート、また他のメンバーが外したシュートなどをリバウンド、とプレーは地味ながら縁の下の力持ち。

80年代後半、90年代のNBAを見てきた筆者にとって、ホーレス・グラント選手を思わせるオールドスクールな、かつ好感もてる選手です。

ペイトン
シアトル・スーパーソニックスの中核選手として活躍し、以後数チームを転々としたペイトン選手。

時には自ら、自分のポジション以上の得点をしなければならない時期もありましたが、今では頼り甲斐のある選手に囲まれ、ベテランとしての活躍を期待されています。遺憾なくその力を発揮してほしいと思います。

シャック
デトロイトのベン・ウォレス選手を「ゴール下の魔神」というなら、こちらは「ゴール下のモンスター」。

往年と異なり、やや怪物ぶりを見せるシーンは少なくなってきたものの、今でもその力はまだまだ健在。
時に、巨体のセンターでありながら、自らボールを運び、速攻をガードの選手のように決めてしまう意外性を見せてくれます。

ウェイド
やはり、今のマイアミのエースといえばこの選手。
日本でも、同期のレブロン・ジェイムス選手やカーメロ・アンソニー選手と並んで支持を得ています。
今季プレイオフでは、ジャンプシュートをよく決めるようになったりと、目に見える成長を見せてくれる、今後も楽しみな選手の1人です。

ウィリアムス選手とその人気
マイアミに来たことで、グッズが全国区から外れてしまった感のあるウィリアムス選手。
キングス、グリズリーズ時代はどの州でもジャージを見かけましたが、今では現地マイアミでしか、目にすることはありません。そこで、マイアミでの人気はというと・・・非常に高いです。
と、いうのもウィリアムス選手は、もともと人気のある選手、またヒートの選手だから、という以外に「地元のフロリダ大学出身の選手だから」というのが効いているようです。

このように、アメリカではプロ・アマを問わずアスレチックチームと地元の関係が、日本での関西地区と阪神タイガースのように、地域密着型であることがしばしばです。
そのため、NBAではよそのチームに所属していても、地元出身の選手なら、その選手のジャージを着て歩いている若者も少なくありません。

余談ですが、州にはシャーロット・ボブキャッツのあるノースカロライナ州のチャペルヒルでは、このチームの選手の他に、グリズリーズのバティエ選手(DUKE大)、クリッパーズのブランド選手(DUKE大)、ダンカン選手(ウェイクフォレスト大)、マーベリックスのジョッシュ・ハワード選手(ウェイクフォレスト大)といった、地元大学出身選手のジャージを着ている人達を大勢見ました。

こうしてみると・・・
S.オニール選手、モーニング選手、ペイトン選手、ウェイド選手とドリームチームのメンバーあるいは、アメリカ代表チームに選抜された選手がこうしてみると大勢いますが、かといって1シーズンを過ごすのは楽勝ということはなく、6月16日現在にて2勝2敗で奮闘中です。
NBAでの優勝がいかに難しいかを物語っています。

え!?
この調子でアリーナの中に・・・と思いましたが、え!?今日は閉館?。何というオチでしょう。
はるばる日本からやってきてこの結果とは・・・ちなみに似たようなオチが、あと何回か続きます。詳しくは今後の旅行記にて。
このアリーナの写真は、後日壁紙コーナーに掲載予定です。

おまけ
 今回のマイアミでは、頻繁にスコールに遭いました。朝は晴れ晴れとしていたのに、昼頃から大雨というのは珍しくないようです。山のお天気並みに変化に富んでいます。
この日も例外ではありませんでした。

最近、日本でも深夜営業を行なうマクドナルドが現れ始めていますが、車を走らせていると、24時間ドライブスルーのマクドナルドを発見。
早速、車から降り、「何が違うんだろう?」と、雨の中ワクワクして入店してみることにします・・・が、深夜もドライブスルーがあるからといって、何か異なる点があるわけではありません。外観は普通のマクドナルドで、只今現在の時間は日曜日のお昼です。
通常どおり営業しています、ただ一点を除いて。

店内に入るとビックリ、そこら中で雨漏りしています。
雨の降る中、正直、店内と外の区別がないくらいに、雨漏りしています。更に驚くのは、地元の方々は平然として食事をしていることです。
運転で疲れていたので、仕方なく雨漏りのないところを選んで席につきます。

 すると、隣の席には黒人女性2人組が座っています。姿格好からすると親子のようです。
聞き耳をたてるつもりはなかったのですが、2人の会話がところどころ、聞こえてきます。
どうやら、失恋して元気をなくした娘を励ますために、母親が外へ連れて出た場面に出くわしたようです。
母親はしきりに娘に食事をすすめ、励ましの言葉を娘にかけていますが、娘は一向に意に介さず、時折、携帯電話に入ってくるメールをチェックしたり、それに返事を出すだけで、食事を口にしません。
そんな彼女は、ため息をつきながら雨漏りする店内を見渡し、

 『屋根のあるところにも雨はふるのね・・・』

と、何気ない不満のようにも、
「本当は泣くなんてありえないはずの私だけど、涙が止まらない」
という感傷的な隠喩のようにも聞こえます(実際に涙を流しているわけではありません)。
見たところまだ10代、多感な時期です。失恋のショックで感傷に浸りきっています。
無理もありません。
彼女は続けて、携帯電話に入ってきたメールに、返事を無心に打ち続けます。
すると、勢い余ってか、携帯を落としてしまいました。私は足元に転がってきた携帯を拾い、彼女と目線をあわせながら、手渡そうとしたその瞬間です。

雷鳴とともに、バチン!と音がして店内が真っ暗になりました。
どうやら雷の影響でブレーカーが落ちたようで、店内の照明全てが落ちてしまい、エアコンはもちろん、店内BGM、機械から注ぎかけていた飲み物すべてが止まってしまいました。
さすがにアメリカでも珍しい出来事のようで、店内が一瞬どよめいたかと思うと、ほんの数十秒で電源が回復し、もとの状態に。

 突然の出来事に言いかけた言葉を忘れ、口をポカンと開けてしまい、あっけにとられていた彼女と、再び目線があうと、その表情が気恥ずかしかったのか、一瞬はにかみます。
本当にほんの一瞬でしたが、曇っていた彼女の顔に笑顔が戻りました。
すかさず、

『君のいう通り、屋根のあるところにも雨が降ることもある。でも、灯りがなくたって、明るくなる物だってあるんじゃない?』

と言いながら携帯を手渡すと、恥ずかしそうに「Thank you」とだけ答えて受け取ります。
しかし、この光景を見ていた母親は

『でも、アンタ誰?』
この一言に娘も我に返り、『うん、誰?』
『いえ、日本からきた・・・一商人です』

「明確な理由や原因がなくたって、ひょんなきっかけで人は笑うことができる。だから元気出せ」のつもりで言った言葉でしたが、こちらの意図するところがきちんと伝わったかはわかりません。
が、とにかく彼女の顔に一瞬でも笑顔が戻ったということで、良しとしましょう。

そして次回、ミシガン大学編に続きます。