今回は、ミシガン・ファブファイブやグレン・ライス選手らを輩出した2006年のミシガン大学の様子をお届けします。

レプリソーム旅行記 Vol.9 ミシガン大 前編

ミシガン大学
1年前、デトロイトへ来た際、ミシガン大学関連の建物を見つけました。
そこから約1kmほど離れたところにメインキャンパスがあります。
画像中の茶色いレンガ造りの建物は、アイスアリーナ、ホッケー場です。
日本と比べると、アメリカの空もこの建物も非常に高く、手前に写っている街路樹の高さが約2mほどであることからも、おわかりいただけるかと思います。

アイスアリーナ脇から・・・
アイスアリーナの脇から見える景色です。
赤いレンガの壁の手前にはバス停が、そして壁の向こうに頭だけ見えている青い建物、あれが今回のお目当ての1つです。

マーガレットスポーツ博物館
お目当ての建物です。
ウルバリンズの歴史を知るなら、メモラビリアビルディングを訪れるのが一番と考え、マーガレット・ダウ・トウスレイ博物館(スポーツ博物館)にやって来ました。
・・・が、ちょっと早過ぎたようです。
ご覧の通り、駐車場には数台の車しか駐車していません。
この時間を利用して、ちょっと周囲を探索することに。

アイスアリーナ
博物館のおむかえには、先ほどのアイスアリーナ。
出入り口のシャッターに、ミシガン大学のロゴマークが入っているのが見えます。

トレーラー
写っているのは、コンボイなどが引っ張っているトレーラーです。
やはり、大学のカラーリング(ネイビー×イエロー)で塗装、ロゴが入れられ、また左側にプリントされたヘルメットから、アメフト部の備品とわかります。

   
ここにも
ピックアップトラックにもヘルメットがプリントされています。
やはり自分の大学に対する、誇りやこだわりがうかがえます。

フェリーフィールド
画像には写っていませんが、上半身裸の白人男性がでトラクターのような物を運転し、芝を整地しています。
何もないですが、よく整備された芝生で、フェリーフィールドという立派な名前までついています。
どういう用途で使われているのかは不明です。

アルムニソフトボールフィールド
フェリーフィールドから歩いてすぐのところに、アルムニソフトボールフィールドというソフトボール球場があります。
フェンスをよく見ると・・・。

フェンスには・・・
フェンスにはライバル大学のロゴが計7つ飾られています(画像には2つ)。

グリル
ソフトボール球場から出ると、最初に目についたのがこれです。
ウルバリンズの屋台、「ウルバリンズ・グリル」。

サンドイッチ、ホットドッグ、ポップコーンから飲み物まで販売しているようです。
最大でもチキンサンドイッチが4ドル、その他は2ドル前後というのは、良心的な値段です。
もちろん試合のない本日は休業です。

そしてここには・・・
また、ソフトボール球場を出たところには、こんなビルが。
入り口には、ドナルド.R.セファードソフトボールビルディングと書かれています。
建物や敷地1つ1つに、きめ細かに名前が付いているのは、いかにもアメリカらしいです。

さらにここにも・・・
ここにもロゴの入ったトレーラーらしきものが。
横に走る黒い帯の上に、チョコっと書かれた文字。
「READY-KW(キロワット)」とあります。
中は見えませんが、KWという言葉から連想するに、発電機を搭載したトレーラーと思われます。

工事中
ミシガン大のスタジアムです。
看板の左右に、うっすらと見える黒い線は、クレーン車のアームです。シーズンオフということもあってか、スタジアム内を大々的に工事中で、残念ながら中が見えるところまで近づくことはできませんでした。

・・・と、こうしているうちに結構、時間が経ちました。
マーガレット博物館に急いで戻ってみます。

入り口
さきほどの画像は博物館の裏手でしたが、こちらが正面玄関です。

看板
マーガレット博物館のはずが・・・スケンベクラー・ホール?。
中に入って見るとわかりましたが、建物全体が博物館ではなく、博物館はあくまで建物のいちコーナーで、その他にアスリートたちのためのトレーニングルームや、メディカルセンターも、このホールの中にありました。
これらを含めた建物全体をスケンベクラー・ホールと呼ぶようです。

   
入館すると
入り口の案内看板です。
右の黒い物体は、ご婦人の彫像です(左画像の右)。
拡大すると右画像の通り。
こちらの方が、この博物館の名前になったマーガレット氏かと思われます。

   
中は・・・
他の大学と同様、バスケットボールや他の競技のメモラビリアが混在して飾られています。
トロフィーよりも、写真や小物といった当時の記念の品々が多い印象です。
右の画像は、その一例です。

スピリット
まず最初は、ミシガン大のスピリット(精神)やアスレチックチームの起源が紹介されています。
直接、閲覧することはできませんが画像のショーケース右上には、「Yellow & Blue」というタイトルの本が飾られています。
大学のイメージカラーについて書かれていると思われます。

また、チーム名の由来であるクズリ(Wolverine:ウルバリン)の剥製が飾られています。
ちなみにノースカロライナ州がTar Heel Stateと呼ばれているように、ミシガン州は「Wolverine State」とも呼ばれます。

なぜクズリなのか? 
クズリがマスコットになったいきさつですが、大学の図書館からいただいた資料によると、

 「説がいくつかあるが、明確な理由はわかっていない」とのことです。

ここでは、図書館に公式な記録として残っている説と、逸話をご紹介します。

【説1】その動物が多数いたことという説
しかしながら、州内でクズリが罠にかかっているのが確認されたことも、白骨化したクズリの亡骸を96705平方マイル内で確認されたことも過去になく、2004年の2月に初めて、ミシガン州内で野生のクズリが目撃されたとされています。

【説2】クズリの毛皮取引による説
ミシガン州北部、スーセントマリーで、長年行なわれているクズリの毛皮取引が関連付けられたという説。
1944年に the Michigan Quarterly Review へ寄稿された、Fielding H. Yost 氏(ミシガン大フットボール監督)の記事では、スーセントマリーで取引されていた毛皮の多くが、クズリの毛皮だったため、商人たちはそれらを「ミシガンのクズリ」と呼んだのかも知れない、それが州のニックネームとなり、最終的にミシガン大のシンボルになった・・・のかも知れない、と紹介されています。

【説3】フランス人のミシガン州定住による説
1952年に Michigan Quarterly Review へ寄稿された、Albert H. Marckwardt 氏の記事では、1700年代後期、ミシガン州にフランス人が定住し、彼らの食欲が非常に貪欲・大食で、「クズリのようだ」と揶揄されていたことから、クズリがニックネームとして用いられた、と紹介されています。

【説4】トレド戦争に由来の説
1803年のミシガン州とオハイオ州の境界線を決める論争、「トレド戦争」に由来している、という説。
この論争がなされている間、ミシガン州の人々はウルバリンズと呼ばれてはいたが、
 ・粘り強さ、強さをアピールするため、自らこの名を使用したのか
 ・クズリの貪欲さ・獰猛さ・習慣を引用して、オハイオの人々がこの名前を使い出したのか
は明らかではないとされています。
以来、ミシガン州はウルバリンステイトと名づけられ、そしてミシガン大が創立された時、大学名と同じ州のニックネームが採用されたと、紹介されています。


【逸話:クズリと大学】
 当時、ミシガン大学アスレチック部門では、生きたマスコットに対して「そのような物が、ミシガン大アスレチックチームの価値や精神を正しく反映するわけがないので必要ない」という確固たる信念を維持し続け、長年、おびただしい数の個人やグループから、様々なクズリの着ぐるみがマスコットとして提案されましたが、アスレチック部門はそれらを認証しませんでした。

この当時からすでに、クズリという動物(ウルバリン)が大学のマスコットである、という認識が存在し、1861年、学生と卒業生らが「ウルバリンズ」と名乗り始めるようになります。


【逸話:生きたクズリの難しさ】
NCAAの試合では、応援やハーフタイムのパフォーマンスのために、生きたマスコットを連れて来ることは珍しいことではありませんが、ミシガン大の Fielding Yost氏(上記フットボール監督)は、ウィスコンシン大が生きたアナグマを帯同させていたことに触発され、1923年にクズリを見つけると発表しました。

その捜索は難航を極め、68名もの猟師に声をかけましたが、生きたクズリは入手できませんでした。
一旦、死んだクズリでもよい、と妥協をして、Hudson's Bay Fur Company 社から剥製のクズリを導入したものの、生きたクズリの捜索は続けられ、1927年、アラスカから10匹のクズリが、デトロイト動物園へつれて来られました。

このうち2匹がミシガンスタジアムへ連れて来られ、ケージに入れられた状態でお披露目されることとなり、同年、1927年のミシガンスタジアムのこけら落としでお披露目されたクズリには、ビニーとビフという名前がついていました。

しかしながら、クズリが次第に大きく育って獰猛になったことや、ケージに入れたクズリを人間が担いでお披露目をする様子は友好的ではなく、マスコットとしてふさわしくない等の理由から、わずか1年後には、生きたクズリを持ち込むという行事は中止にせざるを得なくなりました。

この後、2匹のクズリたちはどうなったのかというと、ビニーはデトロイト動物園に戻され、ビフはミシガン大学動物園で飼育されることになりました。
1937年に、Chevrolet Motor Company から、ケージと共にクズリが1匹、ミシガン大学へ寄贈され、コンテストで Intrepidus と名づけられますが、この半世紀にはミシガンスタジアムに生きたクズリは存在していない、とれさています。

もはや獣
左の画像は、上の画像を拡大したものですが、確かにこの表情を見る限り、クズリが犬のように人懐っこい動物とは思えません。

この剥製は、頭からしっぽまで約 80 cm、これ以上育って、性格が攻撃的となると、もはや「獣」と呼ばざるを得ないかも知れません。

Blue & Maize
画像のようなカラーリングが、ミシガン大学のカラーであることは有名ですが、

このカラーリングについても、厳密な由来は明らかにはされていません

公式には「Blue & Maize」とされており、Maize は直訳すると「とうもろこしの黄色」ですが、大学はこの色をゴールドを想定して選んでいるようです。
Blue については、下のようないきさつが紹介されています。

1867年、学生達が公式に会合を開き、青色と黄色とが大学オフィシャルカラーに採用されることになりました。
20世紀になる頃には、ミシガン大のアスリート達は、黄色と青色のウェアを身にまとってはいましたが、「どのような青色にするか」が厳密に決まったのは、それから約50年後となります。

1912年、大学当局は「大学の色に関する文書」で最古の物(1859年)に掲載されている、Elisha Jones の卒業証書に付いている深い青のリボンを引用し、「このブルーが大学のブルー」と定めた、とあります。

   
チームとそれを支えてきた人達
引き続き、アスレチックチームについて。
各チームの創設起源や、選手はもちろん、そして選手としてでなくとも、それらを周りから支援してきた人々(チアリーダーなど)について触れられています。

   
チアリーダー
こちらはチアリーダーとマーチングバンドの起源について。
当時の物と思われる、チアリーダーのウェアと、バンドの指揮者のキャップ、ホイッスル、指揮棒が飾られています。
昔の写真
上の右画像のショーケース右下にある写真です。
モノクロであること、ランナーが着用しているウェアのレトロさが、当時を物語っています。

   
年表
壁には、横長にずっと「〜年〜部が優勝」など、各アスレチックチームが、いつ・どのような功績を残してきたかを、年表のように時系列で、まとめて掲載しています。

   
フットボール
上の年表にしても、飾られているトロフィーにしても、とにかく多いのはフットボール。
左の画像中央に大きく写っているのは、数々のトロフィーを収めたショーケースです。
右の画像は、その部分だけ拡大したものです。
この数を見るだけで、ミシガン大フットボールチームの強さが、うかがえます。
それもそのはず。
大学の公式の記録において、チームスポーツで最も優勝回数が多いのは、フットボールの11回(次いで多いのはアイスホッケーの9回)です。

フットボール2
右のアニメータは、優勝時のバナーや記念品の数々です。
黄色いバナーには、1947年に9チームを相手に、計345得点し、相手チームには計53失点しかさせなかったとあります。
この強さも含めて考えると、先ほどのトレーラーやピックアップトラックなど、フットボールチーム専用設備があるのも、この館内にフットボールチームの記念品が多いのもうなづけます。

やっと本題です
前置きが長くなりました。
男子バスケットボールチームです。
グレン・ライス選手をはじめとする、89年のメンバーが全米優勝を果たしています。
画像は、その当時の記事を大きく伸ばしたものです。

優勝チームの思い出
選手たちのサインの入ったボールに、当時のスポイラー紙です。
表紙に、リバウンドをとっている姿がデカデカと写っているのは、グレン・ライス選手。
背番号は#41です。

   
その他には・・・
頑張っているのは男子チームだけではありません。
女子チームの活躍や、NITトーナメントで優勝した経緯や監督の写真も掲載されています。

同じ室内ですが、大型のトロフィーなどはこの門の向こう側に飾られています。
そこで、早速と思ったのですが・・・。

ここも・・・
スタジアムのように、ここも改装工事中のため立ち入り禁止とのことです。
右側に写っている赤い物は、作業用のハシゴです。

それでも何とか・・・
それでも何とか、出口のフレームから手を入れて中を撮影しようと試みます。

これだけ?
中にはそれらしき像などが見えますが、ショーケースの中は空っぽ。工事の作業による破損などを避けるためでしょう。
大変、前置きが長くなった割に、肝心のバスケットボールチームについてが、新聞記事の拡大と、選手たちのサインの入ったボールに、当時のスポイラー紙、そして監督の写真だけ?。

「バスケットボール関連なら、ここよりアリーナの方がいいですよ」と、係員から朗報が。
早速、すすめに従い、行ってみることにします。

 
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